分水嶺
雨粒 流されるのはあの川だ。予感は当たった。終戦の少し前のこと、雨粒だっ私は、地球に向かって降り注ぐ雨粒の集団の中にいました。
雨粒は到達する地上の落下点を自分で決めることができません。地上に着けば落下点からは既定の川の流れに身をゆだねるしかないのです。流されるままです。太平洋にいきたいからこっちの水流とか日本海がよさそうだからこちらとかいうわけにはいきません。
雨粒だったワシは当然のように稜線の右側に落ちました。

ここで言う分水嶺は、稜線から左に流れる川が上流界か中流界に流れ込む。
右の水流は下流界行きという糢糊としたおはなしです。
この下流界に注ぐ右の水流の中に、少数の雨粒で構成するゆっくりと流れる狭い水域があることを知ったのは地上に落ちてから30年も経った後のことでした。この水域はそのままホントの下流界に流れ込むこときらって流れに身を任せることをやめていました。
下流界の中流域と呼ばれる独自の水域をつくったのです。ゆっくりぼちぼち流れる術を会得したことで下流界に流れ込むことを回避できるというのです。
 
もしも雨粒に意志があるとしたら、稜線の左側に落ちたいと思うはずです。不運にも右側に降りたときにはどうするでしょう。多くの雨粒はそのまま下流界に流れ込むにちがいありません。しかし下流の中流という水域があると知ったらどうでしょう。そこで踏みとどまろうと考える雨粒がいるかもしれませんね。

分水嶺 人生でいえば岐路だね。自分で選択できないものがある。運というやつだ。 分水嶺とか分水界の学問的解説は下に譲りましょう。
 興味がおありの向きはご覧なされ

分水界(ぶんすいかい)とは、異なる水系の境界線を指す地理用語である。山岳においては稜線と分水界が一致していることが多く、分水嶺(ぶんすいれい)とも呼ばれる。

水は高いところから低いところへと流れる。したがって稜線のどちら側に降るかで流れ込む川が変わり、注ぐ海が変わってくる。山岳においてはこのような違いが大変明瞭なかたちで現れてくるが、一見平坦な地形のところでもこのような営みが行われている。たとえば、広島県安芸高田市向原町戸島の「泣き別れ」は平坦な水田の中にある。これより北側は江の川に流れ込んで日本海へ注ぎ、南側は太田川に流れ込んで瀬戸内海に注ぐことになる。(安芸高田市には八千代町上根にも平坦地での分水界がある。これは日本における河川争奪の代表的な例である。)

もうひとつ平坦な地形での分水界の例を示す。それは武蔵野台地の場合である。武蔵野台地では残堀川や野川、仙川など多摩川水系の河川と、黒目川、柳瀬川、空堀川など荒川水系の河川とが流れている。当然双方の水系の接するところ、すなわち分水界が存在するわけだが、玉川上水がほぼそれにあたる。最も高いところを通すことで分水を自然に流下させることができ、灌漑面積を効率的に拡大できるのである。

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分水界を見つけるには下流から遡っていくと良い。海や湖に注いでいる河口を持つ流れを本流とし、それに合流している流れを支流として上流に遡って行くのである。このようにして見出された一連の体系を水系といい、その他の水系との境界が分水界というわけである。
原則として河口から最も遠くへ行ける流れが本流であるが、そうなっていないケースもある。アメリカ大陸を流れるミシシッピ川は支流のミズーリ川を遡って行った方が長くなることが知られている。

なお、水系の名称は本流の名称から取られるのが普通である。例えば信濃川水系とか石狩川水系といった具合である。

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