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30歳を過ぎ新たな気持ちで将棋に向かう羽生

若手棋士の中で将棋の研究をする羽生
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常に将棋界のトップを走り続ける棋士・羽生善治(35)。25歳で前人未踏の7タイトル全制覇を達成してから10年。35歳になった羽生は、今新たな境地で将棋に挑んでいる。10代、20代のころと比べ、記憶力や反射神経は衰えたが、経験を積み重ねる中で培った「直感」や、勝負の流れを読む「大局観」などを生かして勝負することを心がける。ここ数年、対局中、いつも思い浮かべる言葉がある。「玲瓏(れいろう)」。
玲瓏とは、透き通り、曇りのないさま。対局中に襲われる不安や迷い、雑念を取り払い、澄み切った心で盤面に向かうよう、自らを戒める。
勝負の山場、一手のミスも許されない瀬戸際に立ったとき、羽生の手が震えた。羽生は、常に自分との葛藤(かっとう)に打ち勝つべく、プレッシャーと戦いながら、勝負に挑む。

10代のころから、その才気を発揮し、天才と呼ばれる羽生だが、25才という若さで7冠達成という頂点を極めた後、漠然とした不安に駆られ始める。「この先どうなるのか」。
迷いとともに次第に戦績を下げ、2年前には、タイトルは1冠にまで落ち込んだ。そんな時、見慣れたはずのベテラン棋士たちが将棋に打ち込む姿を見て、羽生はあることに気づく。「才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、情熱や努力を継続できる力だ」。
「勝ち負けだけにこだわらず、生涯をかけ自分の将棋を極める」。羽生は今また、新たな境地で将棋に挑んでいる。
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