「無年金」の人数は?公的年金を受け取れない「無年金」の人は、全国にどのぐらいいますか。 高齢者+現役80万人障害者12万人国民年金や厚生年金などの公的年金は、原則として合計25年以上加入しないと、老後の年金(老齢年金)を全く受け取れなくなります。 社会保険庁の推計によると、老齢年金を受給していない高齢者と、これから無年金になりそうな現役世代は、計約80万人もいます。 このほか、障害年金を受給できない障害者も約12万人いると見られています。 「国民皆年金」は、もはや看板倒れになっていると言えそうです。
無年金者が生じる最大の原因は、自営業者などに国民年金保険料の未納を長く続けたり、そもそも制度に加入していない人がいることです。 社保庁によると、65歳以上の高齢者のうち、若いころ公的年金に加入したことがあるのに、加入期間が足りず無年金になっている人が約41万人います。 また、現役世代の国民年金加入者で、これから保険料を払っても受給資格を得られないと見られる人も約39万人います。 一方、けがや病気で障害を負ったのに、障害年金を受給できない人は、厚生労働省の推計によると全国で約12万人です。 このうち4分の3に当たる約9万1000人は、やはり加入義務があるのに未納・未加入だった人たちです。厚生労働省は「年金などの社会保険制度は、加入して保険料を支払った人に給付するのが大原則」だとして、救済措置を講じていません。 ただ、無年金障害者の中には、未加入だったことがやむを得ないケースもあります。 20歳以上の学生は、1991年3月まで、国民年金に加入するかどうかが任意でした。サラリーマン世帯の専業主婦なども、86年3月までは希望者だけが任意で加入する仕組みでした。 これらのケースで無年金障害者になった人たちは、今年度から「特別障害給付金」を受給できるようになりました。 このほか、在日外国人は81年12月以前には、国民年金への加入が認められていませんでした。その時期に障害を負って無年金になった人もいますが、国による救済措置は、今のところ講じられていません。 国民年金保険料の未納率は、最近では4割近くにのぼります。このままだと将来、老齢年金や障害年金を受け取れない人が、さらに増える恐れがあります。生活保護の受給者が増え、将来の現役世代の税負担が重くなる可能性も指摘されています。 政府が空洞化問題の解決に取り組む必要があることはもちろんですが、加入者側も、未納を続けることのリスクを認識する必要があります。(石崎浩) 2005年11月16日読売新聞)
|
|
ホーム サイトマップ |